津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの |伊藤 和明

地震のあとに怖いのは、津波ですね。
津波の知識が身につきますよ

津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの
伊藤 和明
岩波書店 刊
発売日 2005-07-06



津波防災の身近な教材 2005-10-15
本書の著者伊藤和明は、東京大学理学部地学科を卒業、NHKに入社した。科学番組、自然番組のプロデューサーをつとめた。NHK解説委員、文教大学教授をつとめ、現在は、防災情報機構の会長の職にある。『大地震・あなたは大丈夫か』(1990年、日本放送協会出版・新コンパクト・シリーズ)、『地震と噴火の日本史 』(2002年、岩波新書)等多数の著書がある。本書は、副題にあるように、戦時中から戦後にかけて小学校の国語教科書(国定教科書)に掲載された「稲むらの火」について、その内容と背景を語ったものである。
 2004年12月26日、スマトラ沖で発生したM9.0の巨大地震による大規模な津波は、インド洋沿岸各国に被害をもたらした。その犠牲者は30万人。そんな中、話題となったのが、本書のテーマである「稲むらの火」という物語である。インドネシアのジャカルタで、この津波に関する緊急首脳会議が開かれた。その昼食会の席上、シンガポールのリー・シェロン首相から、小泉総理に「稲むらの火」について質問があったという。
「稲むらの火」のストーリーは、次のとおり。ある海辺の高台に住む庄屋の老人が、地震の後の海水が沖に向かって引いていくのを見た。”津波襲来”を予感して、自宅の田圃に積んであった稲むらに火を放った。その火を見て村人たちは「庄屋宅が火事」と思い、高台の庄屋の家へ駆けつけた。村は津波により流され、村人の命は助かる。「稲むらの火」の物語を書いたのは、和歌山県で小学校の教員をしていた中井常蔵。中井の作品は、文部省が行った国語教材の公募に応じ、入選したものだった。中井は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の英文の小品A Living Godに触発され「稲むらの火」を創作した。A Living Godの物語にはモデルのごとき人物がいる。その人の名は、濱口儀兵衛。安政元年(1854年)に発生した安政南海地震の際、和歌山藩広村(和歌山県広川町)で、濱口儀兵衛は老人や子供を高台に避難させた。小泉八雲のA Living Godは、1896年(明治29年)に発生した明治三陸沖地震津波の後で書かれた。津波に関する新聞報道の際に紹介された濱口儀兵衛の行動が題材となり、A Living Godは生まれたらしい。以上からいえることは、「稲むらの火」そのものは、実話ではない。実話からヒントを得て作られた創作である。しかし、「稲むらの火」を教科書で取り上げ、それが防災教育上極めて有効であったことを否定することはできない。 本書の主要テーマは「稲むらの火」にあるが、著者は続けて津波発生のメカニズムや津波から身を守る方法を本書の中で語っている。


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posted by moris | 防災
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