彼女を守る51の方法―都会で地震が起こった日渡辺 実 /彼女を守るプロジェクト
マイクロマガジン社 刊
発売日 2005-04
】「大切なあなたの恋人を救うための」という切り口がポイント 2005-11-05
【概要】
12:03 M(マグニチュード)7.3 直下地震発生。「ぼく」と「彼女」(モデル:石井めぐる)は休日の昼に、繁華街で都市直下型地震に襲われる。
こんな想定シチュエーションで、地震発生直後〜避難〜避難所生活という時間を追って、防災ノウハウを紹介する。実際の震災被害の写真・彼女(石井めぐる)の写真の両方を含め、多くの写真が用いられ、読むというよりも見るという体裁の本になっている。
終章では、被害の軽減・予防のためのノウハウについても触れられている。【コメント】
真面目な防災ノウハウを「大切なあなたの恋人を救うための」という切り口で取り上げたことが本書の最大のポイントだろう。私が購入した動機は確かフリーマガジン『R25』で紹介されていたからだが、若年層への訴求に成功しているように思われる。大袈裟な言い方だが、このことによってこの本が果たした社会的意義も大きいと思う。これだけの基本知識が習得できるのであれば、モデルの石井めぐるに目が行って買うという動機も「アリ」だと思わせるほど、きちんとした一冊だ。
唯一惜しく思われるのは「51の方法」に付番がされておらず、まとまりに欠けて読みづらくなっている点だ。
カップル・夫婦で一冊買ってみていい本だと思う。
男が試される 2005-08-24
普段は「君のことを守る」って言っても実際に震災にあったときのことを想像すると、対処できるのか心配になりました。
想像してみてください。
○彼女が怪我をした
○彼女が泣きじゃくった
○散々、歩きまわって「もう、あるけない」と言い出した。
○着替えや、トイレに行く彼女を守ったり…震災に対する対処はもちろんですが、
どちらかといえば、精神面でのアフターケアとして
知っておくべきことが書かれている気がします。
防災の日に向けた必読書 2005-08-21
「彼女と繁華街に外出している時地震に遭遇したらどうすればよいのか」という想定で、地震対策を説明していくロールプレイ型解説書。とかく地震対策などというと、冗長な説明になりがちなところだが、ロールプレイ型にして読者が興味を失わないようにしつつ、平易に読めるようになっている。内容自体も、例えば「柱に深いX字の亀裂が入ると、その建物は倒壊の危険がある」とか、「女性のナイロンストッキングは、炎が迫ったとき熱で溶けて肌にくっつき、重度のやけどの原因になるので脱ぐ」といったものや、携帯電話や携帯ラジオの賢い使い方など実践的な知恵が数多く紹介されていて非常に参考になる。
また、地震でライフラインを失った時の避難所生活についても、阪神淡路大震災、新潟中越地震などでの実態を踏まえて、少しでも快適に暮らす工夫が紹介されており、こちらも貴重な情報だと感じた。「大事なことだけれど、正直とっつきにくい」地震対策というテーマに手をつけるには格好の本と言えると思う。
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